後部座席に乗る奥様から要望が出ました。
「何かにつかまる所が欲しい...」
後ろに乗っていると発進時にシートが沈み、そのまま後方に持って行かれるようなので恐怖感があるようです。また、いつ加速するかわからないので発進時だけでなく、常に私にしがみつこうとしているようです。
確かにあまり抱きつかれてばかりいると、こちらも血流が止められて息苦しく、肩も凝ってきます。
「リアキャリアのタンデムグリップにつかまればえぇやんか」と言うと、ここを持って乗るのは怖くて、できれば私の腰の辺りにグリップが欲しいのだそうです....ん~困ったもんです。
それではとネットを探しましたがアメリカンでそんな所にタンデムグリップが付いている例は見かけません。前後のシートの間にドライバーバックレストが付いているものがありますがVT1300CSのシートは前後合体型ですのでこの手は使えません。
何とか固定する場所だけは見つけたので今度はステンレスパイプを使っての「タンデムグリップ」の自作です。
材料のパイプはφ18、肉厚1.5ミリ、長さ2メートルで¥4,800+税でした。いろんな方向に曲げないといけないのでシームレスパイプにしましたが、やはりシームレスは高価ですね。
内部に砂を詰め込んで曲げるのですが、それでも大きな範囲で曲げないと管が潰れてしまうので注意が必要です。正確な寸法がわからなかったので曲げては現物合わせを繰り返したため、修正には時間を要しました。
今回もバフがけ加工を施しましたが、元が未加工のパイプだったのでなかなか大変な作業でした。
最後に体に触れる部分をウレタンチューブで覆いました。これは夏場の直射日光で熱くなったり冬場には氷のように凍てつくパイプを直接触らなくても良いようにという夫の配慮であります。
結果、奥様は大喜びです。背中のシーシーバーとも併せて安心感が数段増したと言っています。 「タンデムグリップができるまでは後ろには乗らない!!」 とまで言ってましたから、ホントに安心したのでしょう。私も減速の度にヘルメット同士がゴツゴツと当たったり、首筋に妙なシビレを感じなくなったので楽ちんちんです。
こうやって見るとこのウレタンチューブのおかげで少しばかりボリューム感が出てしまい、全体のイメージが変わってしまいました。ライダーが乗ってしまうとわからなくなるし、タンデムとなると全く見えなくなるんですけど...。でもライダーにとっても良いことがあるんです。デイパックを背負って乗るとき、デイパックを下から支えてくれるのでとても楽になるのです。タンデムグリップ、作って正解だったかな。
2012/06/17 15:48:00